日比谷の街角 弁護士 稲垣隆一 稲垣隆一法律事務所

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2012年01月

ダイエット 秘法と根拠

今日は,MISCの仲間との新年会。
昨年一年かけて,システム開発契約の法的論点を一緒に勉強した仲間。
システム部門の担当者,管理者が日頃取り組む問題を議論して研究報告書に纏めた。
しかも,それをプレゼンテーションコンクールで発表したのだけれど,そのプレゼンが振るっていた。
研究報告書の内容を,会社のシステム発注のプロセスに位置づけて寸劇にして演じたものだから,審査員や研究会の他の仲間から大絶賛。並み居る強豪を押しのけてダントツの一位。賞金を獲得したので,それを使って,みんなでお食事というわけ。日本銀行横のパブで,大いに盛り上がった。

さて,そこで披露されたダイエットの秘法。

システム開発と法・・とは全然関係ないけれど,あまりに,ホントっぽいので,ブログに記録することにした。

秘法その1 野菜味噌汁そのあと食事

 食事のときはまず野菜からはじめ,次に味噌汁。この手順を終えたら,普通に食事する。
 とはいえ,そのときは,もう満腹中枢が動き始めているから,あまり食べないで済むのでダイエット効果があるという秘法。
 とはいえ,さすが,研究会仲間。なぜダイエット効果があるのかに話が展開。
 発表者によると,こういうメカニズムの故なのだそうだ。
 まず,野菜を噛んでると満腹中枢が刺激される。さらに,味噌汁の出しのうまみ成分が満腹中枢を攻撃するという。

 秘法その2 踵からはいってつま先で蹴る

 歩き方をこうしてみる。すると,姿勢が良くなる。使ってない筋肉が使われて,ダイエット効果ありという。
 なるほど。と思う。しかもやってみると気持ちがいい。

秘法その3 腹八分目ご飯はいつもの七分目

 たしかに糖質の摂取量は減る。でも,ことの本質はもっと深い。人間は飢えた状態になると生命維持への欲求が強まって活性化する。これがダイエット効果を生むという説明。
 なるほど,断食はそういうわけか。
 
これで発表者は逆三角形。歩く姿は美しい。

さすが研究会仲間。なんでも理屈があるんだ。

そういえば,顧問先のクリニックの先生から,痩せろ。その方法は,お昼を味噌汁一杯で,3か月ひもじい思いをするという方法だった。味噌汁一杯じゃ,身が持たないとおもったけど,秘法とも符合する。そういうわけだったのか。

明日から実践だ!!!!



 
 
 
 
  


北国の弁護士

函館にセキュリティ監査に行ってきた。

雪が吹雪き,零下五度。外を歩くと寒さに頬を刺されて痛い。

そこで聞いた函館の弁護士の働きぶり。まったく頭が下がる。

弁護士の数は30名余り。
自分の仕事をしながら,一月約3件の国選弁護をこなし,法テラスや弁護士会の法律相談をこなす。
弁護のためには警察に接見にいかなければならない。
管内の警察は遠いところでは車で片道3時間。
これを常時3件かかえつつ,日々の仕事をこなすことの緊張感はすさまじい。
それでも,やり抜いている。

じゃ弁護士を増やせばいい。これが司法改革の議論だ。

しかし,これほど,市民をバカにした話はない。

なぜか。

増員論は,弁護士を大量に供給すれば,弁護士過疎地に弁護士がゆきわたるという。
つまり,弁護士が過剰になれば,淘汰された弁護士が,過疎地に回るというのだ。
これだけでも,過疎地の人々にとっては無礼千万だ。

それだけではない。弁護士を淘汰するだけの力のない多くの依頼者全体にとっても無礼千万な話なのだ。

なぜか。

弁護士の淘汰は,選ぶ側に淘汰するだけの能力がそなわってはじめて成り立つ。
だれがそんな力をもっているか?

恒常的に生じる事件を処理するために複数の弁護士を比較して使える限られた依頼者,つまりは,プロユーザーだけだ。
国選の被疑者,被告人にも,一生になんどもない事件を相談する困り事を相談する人々にも,そんな力はない。

増員論は,こうした人々には,淘汰された弁護士が届けられる。それでいいじゃないか。ということなのだ。

司法改革の増員論は,こんな失礼な設計を真面目に議論していたのだ。

北国の弁護士は,そんな無責任で思いつきの論議に目もくれず,頬を刺す吹雪の中を車を走らせて,地域を支えている。

そのエリートシップには本当に頭が下がる。









離婚その2 離婚と情報化時代

離婚問題というと,人間問題の典型だけれど,ここにも情報化の波が押し寄せていると感じる。
証拠のありようが変わってきた。

証拠というと,まずは,興信所の調査報告書。
二人の場所に入るところと出てきたところが写真に写っている。

5年くらい前から,これに形態のメールが加わった。
これは,日付が入っているから整理はしやすいのだけれど,「チュっ」とか,「今日は最高」とか,
膨大な量の単文をつづりあわせて,何があったかを推理すると,背信のストーリーを浮かび上がってくる。

ところが,5年くらい前からは,絵文字が入るようになってきた。

そして,少し前からは,これに写真や動画が加わった。

興信所の写真と違って,当事者本人が,閉じた世界の中で撮り合ったものだから。迫真力が違う。

最近では,携帯からスマホになって,カメラの機能はますます向上,これからはハイビジョン映像が出てくるかも。

興信所も負けじと,GPS,ビーパーを利用した位置情報を用いて,ターゲットが,どこをどう移動して二人の場所にいつからいつまで居たのかの記録が出てくる。

こうなると,宇宙衛星まで加わって,宇宙空間から証拠収集だ。

情報化も窮まれり。そう言えば,情報化も,まずは,記号,文字から始まって,マルチメディア,さらにはインターネットと地球規模に展開していったんだ。

インターネットを見ると,不倫するには携帯のパスワードをなんて御注進記事が出ている。

不倫も離婚も,宇宙規模からの情報収集に情報セキュリティで対抗する時代になった。


あけましておめでとう リスクマネジメントが役立たない領域

あけましておめでとうございます。
原発に翻弄された昨年でしたが,細野担当大臣が,原発の運転期間を40年に制限することを軸とする原子炉等規制法の改正方針を発表しましたね。
これで電力需要をまかなう技術が更に進歩することを願っています。
原発は,もともと人が統制できない被害を及ぼすものであることは分かっていたわけで,他に容易に選べる方法があれば,軍事や原発輸出などもろもろの課題はあったとしても,選択肢には乗らなかった発電技術なのだと思うからです。

さて,本題。原発の採否を考える際に,リスクマネジメントは役立つか?

リスクマネジメントの本質は,リスクの把握とこれに対する対処の枠組みとしての合理性にあるのでしょう。
だから,もともとリスク,つまり可能性を把握して,それを役立てることが出来る分野には有益だけれど,可能性を知ったところで意味のない分野には,役立たないということになるのでしょう。

例えば,入試の合格可能性はどうなんでしょうか。予備校や受験産業は,模擬試験の結果から,合格可能性を示せば良いわけで,彼らにとっては役立つのでしょうね。可能性の高いところは受けて,低いところは受けないという受験生にとっても意味があるのでしょう。

けれど,ここに入りたいという受験生にとっては,いくら可能性を知ったところで,本番でポカをやれば不合格。一夜漬けが当たれば合格。可能性つまりリスクを知ったところで,採否を決めていいものと決められないものがあるということがあると思うのです。私の司法試験受験もそうでした。受かるしかないのだから,合格可能性なんて意味ありませんでした。

原発は,どうでしょうか。たとえ事故の確率が大隕石が振ってくる確率だとしても,津波は十万年に一回だとしても,私やあなたにとっては意味はない。原発の採否に用いることに意味があるのか疑問です。

情報セキュリティも同じ。
セキュリティって,資産保全,保険,軍事の分野から発展してき概念であることはご案内のとおりです。
つまり継続的に勝ち負けがあってもいい,というか仕方ないと考えられている領域。

じゃ,情報セキュリティってどうなんだろうか。継続的に情報事故があっても存続し続けられる企業にとっては,リスクを低減させることで収益を拡大できるから,意味があるかもしれない。でも,一発事故が起こったら,つぶれてしまう企業にとってはどうなんだろうか。合格可能性を知ったところで無意味な受験生と同じ。こういう会社にとっては,セキュリティマネジメントは役立たない。

これに対して,情報セキュリティ対策は,事故を防げるかどうかという一発勝負。

この発想の違いが,セキュリティ対策は進んでもセキュリティ監査が進まない理由なのかもしれませn。
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