日比谷の街角 弁護士 稲垣隆一 稲垣隆一法律事務所

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弁護士のつぶやき

アウトロー

リゾートクラブの会員契約を解約して会費の返還を求めた。

裁判では当然勝ち。でも相手が払わない。そこで執行の段に。

企業信用情報では連続数億円の黒字。
代表者も,都心の一等地の高級マンションに住んでご立派。

しかし,番頭さんは,「来てもなにもありませんよ。この間弁護士さんが差押えにきたけど不発でした。」
ほとんど,集団詐欺事件の番頭と同じ台詞。

不動産は抵当権がベトベト。
預金口座を差し押さえても「なし」。
財産は隠しまくり,会社法による開示請求にも応じない。

そこで民事執行法による財産開示手続をとった。
しかし,裁判所に何の連絡もせず,開示手続の期日に出頭もしない。

案の定ではあったが,司法の権威も地に墜ちた。

過料の申し立てをして裁判所を出た。

司法手続きを尊重しないアウトローが,大きな顔をしてリゾート施設の運営をしている。
客の安全もこんなレベルだろう。

いずれ思い知らせてやる。





神戸地裁そばの蕎麦屋

神戸の裁判所に行ってきた。
期日は午後1時10分。東京駅で朝8時50分の新幹線に乗ると11時半ころに地裁最寄りの駅に着く。

通りかかったのは,地下鉄乗り場の階段を上がったところにある小さな蕎麦屋さん。銀杏庵。店の前には小さな「天ぷらそば又うどん」の手書きの札。妙に気にかかって,ハラがへっては戦はできぬとばかりに。えいやっと店に入った。

130618_1400~0150台かな。大柄で,きれいなアルトの声の女将さんが一人で店をしきっている。調理場にはおそらく息子さん。一人だけ。

そこに地元のお馴染みが通ってきて,その会話の暖かいこと。

テーブルは向かい合って三人掛け。入ってきたお客さんに,そこに横に並んでくださいね。と神戸弁で。これがまた耳に優しい。
蕎麦屋の相席文化は神戸も同じなんだ。

店内の札に,「天ぷらそば又うどん」とあったので,それを注文。

出てきた天ぷら蕎麦をみて驚いた。

ぴしぴし,ピシピシ。
どんぶりの中で,そばつゆに浸った海老天二本が歌ってる。
海老天の上には,大好物の黒々とした海苔天だ。

調理場の息子さんが,揚げて,さっと油を切って,さっさっと盛りつけて,女将さんにはいっと渡し,
女将さんが,ソレッと持ってきてくれたんだ。

しかも,しっかり油を切ってあって,つゆに油が浮くなんて事もない。

まあ心憎い演出。考えたんだろうなあ。

店を出るとき,思わずお礼が言いたくて,口走ってしまった。
「ピシピシ音がする。こんな天ぷら蕎麦初めてです。ありがとうございます。」

すると女将さん
はい,揚げたてなんです。

口に入れれば,揚げたてはわかる。
でも,この店では,すでに丼が運ばれてきたときに,丼が客に「揚げたてですよ。さあどうぞ」と語りかけるのだ。

この一つの手順を入れるためにどれほどの試行錯誤を重ねたのだろう。

僕の仕事もこうでなくては。

励まされて店を出た。









一回結審

賃貸している建物の明け渡し請求訴訟の第1回。
こちらは原告である家主の代理人弁護士。相手は被告のテナントの代理人弁護士。
たった一回の期日で結審。判決期日が決まった。こちらの勝利だ。

「賃料を払わないので出ていってくれ」と言うのがこちらの主張。
しかし相手は,「使ってはいるが,賃料を払う理由はない」というのだ。
その根拠はこうだ。
家主が,更新後は,風営法を守ってくれとか,変な人に貸さないと合意してくれという。こんなことを合意すれば店はやっていけないから,そんな合意はしない。でも,こういう合意を求められては営業できない。だから,賃料を払う必要はない。というのだ。

これにはビックリ。相手方は答弁書でこんな主張をしていたので,私は,答弁書が出てすぐに,「被告は,原告が求める合意をしたら建物を利用できないと言いながら,合意はしていないことを認めているのだから,何ら,賃料不払いを正当化する理由はない。当方の主張を認めて自白しているのだから,すぐに結審してほしい」と粘った。

裁判所も驚いたらしい。

裁判官「占有しているんですか」
相手方弁護士「はい」
裁判官「じゃどうして賃料支払わないんですか」
相手方弁護士「家主が変な合意を求めるので」
私「でも,家主の求める合意には応じていないんでしょう」
相手方弁護士「はい」
裁判官「賃料を支払わないでもよい理由はないことはわかっていますね」
相手方弁護士「ええ。」
私「被告は請求原因を認める主張をしていうのだから,すぐに結審してください」

裁判官が見かねて救い船を出した「被告本人の言い分をそのまま答弁したんですね」
相手方弁護士「はい」

たしかに,弁護士は,市井の人の言い分を裁判所に上げるのが仕事だ。
弁護士がそれを怠っていたら,正義は守れない。新しい人権も生まれなかった。
今は当然の,日照権も,環境権も,そう,労働三権も,敗訴を続ける戦いの中から生まれてきた。

でも,それと,無謀な主張をすることは違う。

家主の求める合意をしたら営業できない。だから合意しない。でも使えないから,賃料を支払わなくていいのだという主張は,それ自体矛盾していて,失当だ。

こういう依頼者には,「あなたの言い分は通らない」と教えるのも弁護士の仕事だ。
それを,費用をとって裁判で争うというのは,依頼者に対する背信だ。

相手方弁護士がつぶやいた「和解で解決できませんか」
理由もないのに,争って,和解に持ち込もうなどという魂胆には,私は絶対応じない。
時間稼ぎや,和解をするために,裁判所を使おうなどということが許されたら,裁判所を使って家主の権利を制限することになる。

こんなことを弁護士がしていたら,弁護士の信用は地に堕ちる。

相手方弁護士が,こちらの主張に反論したいと主張したが,裁判所は,一蹴して,結審した。











修習生に

修習生,丸の内に本社を構える大企業の法務部長,その会社の若手弁護士と四人で会食した。
話題は,修習生の就職の困難さ。
たしかに,司法改革の名の下に,大量の若手弁護士が生み出されていて,全員の就職は難しい時代だ。

修習生の関心は,どうしたら就職できるかに向きがちだ。
どうか,よい一歩を踏み出して欲しいと願う。

そこで,何をしたいのかと問うと,「企業法務」という。

事務所で弁護士を募集してみると,来る修習生は口々に「企業法務」を口にする。

法務部長は,そう言う修習生の心の内を,「企業法務をやる余裕のある事務所に席を得て,きれいで,楽な環境のもとで,高給を得たいということかな」と看破した。

そうなのだ,実務修習も短縮されて,弁護の実務修習は2か月。これで,「企業法務」が見えるわけもない。

修習生,新任の弁護士には,企業法務の力を求めることはできない。
以前出会った新任の弁護士は,貸借対照表も損益計算書も見たことがなかった。
それはそれで仕方ない。
彼らに求めたいのは,企業法務を通じて,誰の何をどうしたいのかというミッションを感じる力,育ち行く力なのだ。

その力はどのようにして育まれるのか。

修習生から来たお礼にこう返礼した。

私のころと今とは環境も違うことは十分わかっていますが,何時の時代にも,弁護士としての厳しさは変わらないように思います。
私が弁護士になるときにも,「こんな悪い時期に」と言われました。
要は,志をもって生きることだと思うのです。
様々なものを犠牲にし,多くの人々の助けを受けて,勉強し,資格を与えられたのです。
君の修習生,弁護士のバッチは,その多くの人々の期待の印です。
バッチを胸に付けた以上,この期待に応えるしか,私たちの生きる道はないのです。
今までに君を支えてくれた多くの人々の願いを実現する時がきたのです。
どうか,こうした期待に応えるために,これからの弁護士として何をなすべきかを考えて,その実現に向けて新任の一歩を踏み出してください。
期待しています。




熱中症に注意

熱中症の季節がやってきた。
ひどい場合は死に至る。
注意が必要だ。

厚生労働省の取り組みは
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/index.html

ここのページの中程から下に 熱中症環境保健マニュアルがある。
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html

ここの中程Ⅲ熱中症をふせぐためにはの
労働環境での注意事項は具体的で役立つ。

屋外作業の仕事場では 麦茶やスポーツドリンク,冷却シートの準備はぬかりないだろうけれど,
責任の観点からすると,従業員にぬかりなく水分を補給させること,どれほどの水分を補給したかを記録して,
不足する人には注意を喚起する管理が重要だ。

仕事のスピードを害しないようにしながら水分摂取の管理をすることは以外に難しい。
ヤカンから飲めるようにするだけでなく,ペットボトルに名前を書いて,きちんと飲んでいるかどうかを見える化する,それぞれのベルトにつける水筒を用意して休憩時に水分摂取量を確認するなどの記録づくりへの工夫が重要だ。
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